≒ (37作目)「二本紐縫い」ダブルショルダー+ANP79+銘木20種M5Wお薬手帳20240518
0418 (木) 前作のエントリの最後に書いたように今作はA4バインダーサイズを作るつもりだったけど、
今回では今までの手帳作品で主な部分にずっと使ってきた「例の三つ編み」を35.5作目で初めて導入した「二本紐縫い」に変えてみるので、
いきなりA4サイズは無謀に過ぎると考えて、急遽M5Wを作ることにした。一種の試作。
穴位置の決め方などは36作での試作である程度把握しているのだけど、そもそもの木部設置開始の穴位置、始点が三つ編みの時とは変えたほうが良いようだ。
レースの縫い方向を流す方向によってずり上がったりずり下がったりしてしまう。
今作ではそこら辺を明確にしてA4サイズの製作に備えるという目的もある。
というように急に方針転換したかのような言い訳なのだが、金属部=ANP79は4/6、2週間ほど前に発注している。後先は違ったかもしれんけどいずれにせよM5Wは作るつもりだった。
今日はまず型紙づくり、革の切り出し、圧着へと進めていく。構造は35作目を完全に踏襲するつもりなのでそのまま型紙は使えるのだけど、穴の位置が違うので紛らわしい。新調する。
なお、今日は夕方前まで前作に取り掛かっていたので作業日としては半日計上とする。
念のため書き記しておくが、35作目では使った金属BC6は販売している規格が幅17ミリしか丁度良いものがなかったためそれを購入し、革部はそれに合わせて半端な幅にしたりはせずに切りの良い38㎝にしたので最終的に見開き幅が41.4㎝と半端な数値になっている。
今作はANP79を発注するときによく確認せずに35作目の数値に合わせて17ミリ幅で発注している。結果今作も見開き41.4cmで仕上げることになった。今後は別に金属部を2㎝で発注して見開きをキリが良い42㎝などにしてもいいと思う。
0419 (金) 昨夜は23時頃までやって革の切り出しまで終了。丸革からの切り出しなんて激安バッファロー革を除けば初めてなのでどう手を付ければいいか迷った。
プロや熟練者は部位別の特性に合わせていくつかに割ってしまってから使っていくようだけど、俺は特性は気にしたことがないしわからない(調べりゃいいんだけど)。
それに極力無駄にしたくないんだよね。結果丸革の端の変形部分で必要な形が取れるところをぎりぎりで切り落として使うことにした。
結果というか当然というか、丸革の「端っこ」はベリー=おなかの部分から2枚取ることになった。厚みが背の部分に比べて薄めで、全体の端っこなのでこの部分の中でも厚みが不安定。
面白い。出来上がりがどうなるか。
昨日の夜には「切り出しして圧着」って言っていたけど、手帳を作るのは半年ぶりだから忘れてた。背革部分の漉きに時間が掛かるのだった。
七夕三部作のハーマンハーネスほどは厚みがないので同じく3日もかからないと思うがしばらくはこの部分の漉きに没頭する。恐らく今週末は暇を見つけてシコシコ作業する。
20時には片面の漉き終了。ベリー部分は元が5ミリ厚と背の部分と比べると薄めなので目標の3.5ミリまで漉くのはそもそも6ミリ厚のハーマンハーネスより楽なうえに、床の処理がハーマンハーネスほどしっかりしていないので良く削れる。
すぐもう片面を始める。35作みたいに両面縦に並べて一気に行かないのは、片面づつやった方が取り回しが楽で力の入り方が決まると考えたからだけど正解だった。
0420 (土) 遅めに起きて10時ごろに作業開始。昼飯挟んで15時に革漉き終了。ハーマンハーネスより大分時間短く済んだ。すぐにサイビノール塗って段ボール載せて圧着放置。
真鍮板の切り落とし開始。今作で初めて手帳規格で2本紐縫いを採用する。すべてが2本通しなので今までの例の三つ編みのように革部と金属部の接合部分で直角に曲げて縫い進めるのは無理と考えていた。
そこで革部と金属部を繋ぎ留めるのに金属片を使おうと思いついた。31作、35.5作で割れた木部を繋げるのに金属片で補強した、それからの連想で思いついた。ネジとの整合性でアルミではなくて真鍮板を使う。
真鍮の切り出しはかなり手こずるかと覚悟していたが、1.8ミリ厚だとそうでもなかった。様子見て鋸刃も新品に変えようと思っていたが結構使い込んでいる今の刃で十分通用したので換えていない。
夕食前に真鍮切り出しは終了。M3ボルトで留めるのは決定しているので穴あけして最終磨きまで進める。穴あけは流石にアルミほど柔らかくはないのでズレまくる。ドリル刃がそろそろ変え時かも。
結局どれもズレまくって穴拡げまで終了。最終磨きの途中で今日は寝る。
圧着は充分時間がたったので確認したが、いつも通り背革の段差のある部分が付いてない。サイビノール押し込んで今夜は寝押ししよう。
明日は革も穴あけ以外の最終仕上げまで終わらせて、ようやく木部の切り出しに入る。今作は木部はすべての穴が2本通しなので4.5ミリ径まで拡げる。よって切り出しだけでなく1本1本穴あけ穴拡げまで終わらせて次の樹種に行こう。
穴拡げで割れたら無駄だからね。ただ、割れまくりも予想できるので、今作はレジン補修は完全解禁とする。割れの部分によってはレジン補修でやり過ごすし、それに合わせて変形材をレジンで整形して使うのも多用しよう。
なぜかというとバール材などのでこぼこな材で良いのが溜まってきているんだよね。そこら辺をレジンで埋めて使ってしまおうと思っている。夏らしく涼しげなんじゃないかとも思う。
0423 (火) 日曜は飲酒、月曜は二日酔いでバイト以外はなにも作業せず。
今日はバイト後家事、所用が少しだけだったので早めに始めたのだけど、デスクランプが壊れていて手元が良く見えん。部屋の明かりは部屋の真ん中にあるから、壁際に合って壁を向いているこのデスクだと手元が影になる。
それでもスマホで照らしたりしてのんびり作業。革部は穴あけ以外は仕上げ磨きまで進めた。トコノールを入れて磨いたけどこの作業(床磨き)は完成までにもう2回行う。
次は木部に取り掛かる。レジン埋めを多用する予定なので早速レッドマリーバールを初卸し。デコボコの表面を少しだけ切り出して整形、レジンで埋める。3種セットの1種なので原価計上が面倒だけど適当にやった。
その次はマンモスの骨。木じゃないw大分前に酔った勢いで買っちゃったけど、到着時割れてたし思ってたより小さいしで使いどころに困って仕舞い込んでいた。ここで使ってしまおう。
0424 (水) バイト後カレーを作ってから17時半から作業。コーカスウッドを割って整形、レジン埋めをする。けれど曇りのち小雨の天気でレジンが固まりきらない。
LED-UVランプだと少しレジン液が劣化したのかベト付きが残っちゃうのよね。これだと仕上げのやすりや磨きが出来ない。
0425 (木) 8時過ぎ作業開始。昨夜は6種目、神代欅までレジン埋めて終了。硬化は一晩おいて気泡抜けてからとさっきから始めた。
バイトまで木部作業続ける。
0426 (金) 暇を見て作業を続けて夕方にはレジン硬化が11本目まで進んで、曇り空で硬化は切り上げ、明日は一日雨と曇りらしいので硬化済ました分の粗整形を進める。穴を開ける手前までの大体のサイズ整形。
驚いたのは11本目のリグナムバイタに今日届いた新しいレジン液を使ってみたらLED-UVランプだけで充分硬化したこと。説明書見たら使用期限は1年程度が目安とのこと。
レジン液は古くなったら質が落ちるらしい。確かに残ってた分も購入当初はUVランプだけで充分硬くなっていた。新品レジンを手に入れたことによって今後はあまり日照は気にしなくていい。
今夜はもう粗整形だけを進めるが明日以降はまたレジン埋めも同時進行で行う。
0427 (土) 朝から動画を流しながらのんびり作業をしてたらこんな動画でコンパウンドでレジンを磨いていた。そうか。このやり方ががあったんや。
うっすらと知っていたけどやったことがなかった。早速アマゾンで仕上げ用コンパウンド注文。使うのは大分先だけどね。
22時過ぎまでのんびり続けて9本目まで荒仕上終了。明日は朝から良い天気だそうなのでレジン埋め仕込みを3本だけやっておこう。3本なのはシリコン型が3つしかないから。
赤みが少ない感じなのでサティーネと老紅木、それと定番のパープルハート。ここまで出来たら14本目。途中で寝る。
0428 (日) 今日は朝から良い天気なので洗濯とレジン硬化。18時過ぎ日が陰るまでに20本目までレジン埋め終了。2本はまだ途中だけどそれ以外は完全に硬化まで終了。
並行して粗仕上げも進めてて10本目まで終了。今日の残りの時間は粗仕上げをシコシコ進めていく。レジンを鑢で削るだけの作業なので延々手を往復させているだけ。
グラインダーがあれば一瞬で終わる作業。写経みたいなもんだ。
0430 (火) 昨日は祝日で飲酒で終了。今日は少し二日酔いでバイトはこなしたけど休憩中にハンドクラフト作業には手が出ず。
ようやく18時過ぎから作業開始。シコシコ鑢掛け。けど残り3本まで進んだ。今日中に荒仕上は終わるかな。
0501 (水) バイトと家事の隙間を縫って木部穴あけを続けて21時過ぎに終了。3.6ミリ以降はハンドドリルで穴拡げ。
これが結構時間が掛かる。今作は手帳タイプでは初めての2本紐縫い=全穴2本通しだから、4.5ミリまで拡げなきゃいけない。
これ、革部も金属部もレース縫い部分は一緒だから今作は穴拡げで作業時間の大半は費やすことになる。
問題は、今回はレジン補強の木部だから4.5ミリまで割れる気配なく拡げられているけど、通常の補強なし木部だと割れ頻発だろうからもっと時間が掛かるだろう。
自作はA4バインダーで今作で試した2本紐縫いを全面的に使うのだけど、かなり木部が割れそうだ。作業日数は覚悟しとこう。
3本拡げるのに1時間かかって22時過ぎ。今晩はこの後はシャワーとバリカンしてもう寝る。明後日からゴールデンウィークの4連休だから作業一杯できるだろう。
0506 (月) 金土日と飲酒で潰した。今日も連休最終日だけど二日酔いで作業できず。夕食後少しだけ木部穴拡げを進める。
作業日としては半日計上とする。
0507 (火) 朝、バイト前に最後の一本の穴拡げをしていたら欠けた。今作唯一の割れ。
そのまま使ってもいい割れ方だったけど、せっかく良い天気なのでレジン埋めをする。バイト中日照で硬化してバイト後穴あけ穴拡げ。無事終了。
このまま木部の仕上げまでやろう。今作で初めてレジンをコンパウンド磨きをするので勝手がわからない。まずやってみる。
けどその前にレース穴の角落とし。これ結構時間かかる。それから全体を1000番まで鑢掛けしていってからコンパウンド磨き。今日中には終わらんだろ。
角落としやっぱりやめた。レジンは必要以上に抉れることが判明。どうしても必要=角が立っているとレースが傷むってほどではないし。
今作は角落としはなし。やすり掛けと磨きを1本ずつ進める。
0508 (水) バイトと歯医者的健診の暇を見て作業。21時過ぎにコンパウンド磨き終了。これで木部は準備完了。そのまま革部のバインダー金具取付。
丁度いい16ミリも18ミリもボルトの在庫が切れてて(元々発注したことないかも)、間に合わせで20ミリで留めてみる。そして足りないボルトとナット類を発注。
今日はここまで。22時で止めてシャワーじゃなくて風呂に入る。体調がすっきりしないのでしっかり身体を温めて寝る。
風呂上がりにボルトの発注内容を確認して原料購入記録に入力していて、1点だけM4の18ミリボルトだけ発注を間違えてた。
全て材質は黄銅で表面処理なしのつもりが18ミリだけニッケルメッキ品を発注しちゃった。
他は同じ商品ページの長さ=型番違いでカートに入れたのだけど、18ミリだけそのページに見当たらなくて別のページでカートに入れたので間違えちゃった。
まぁ良いわ。ボルトの頭だけやすりで磨けば良い。大した問題じゃない。寝よう。
0509 (木) 朝イチ、バイト前に木部の並べ順選定。一応決めてみたけどあまり意味がない。なぜならすべてレジン埋めしてあるので木の色はアクセント程度にしかなっていない。
けどトータルの見た目ではそれが良い感じになっている。
また、並べてみたら片面10本は多いのではないかという感じ。溢れそう。けど前作と同じ規格なのだからそんなわけがない。このまま行こう。
但し、当初の予定通り片面だけレース縫いまで終わらせてからもう片面の穴あけを始める。上手くいかなかった場合の修正のためにね。
念のため、革部だけではなく金属部も穴あけは片面だけ先行して進めることにする。
まず片面の穴を開けていくにあたって、今までの三つ編みと同じ位置ではズレてしまう。
経緯は省くが36作と同じように内から外に縫っていくとして、縫い始めと逆の方に木部が引っ張られて縫い始めのところに隙間ができるので三つ編みより始点を高く?置かなきゃいけない。
ただ、どれぐらい高ければいいのかの参考にできるのは36作と(36.75作目)ハンドストラップ初期型のみ。ハンドストラップはあまり参考にならんけど、過去作で2本紐縫いの「ズレ対策」をしてるのはこの作品だけ。
なのでまず片面だけ進めるにあたって、いつもの三つ編みだと設置部分の端から0.5cmの位置に穴を開けるのだけど、始点に向かって木部がズレるので36.75作と同じく設置部分の端と同位置に穴を開けてそこを設置の起点にする。
ここまでの説明は我ながらわかりにくい。なぜなら俺も実際に手を動かしてみないと分からない部分が多々ある。とにかくこのように穴を開けてみて縫ってみる。手を動かしながら考える。
穴位置が確定して型紙も作成済み。まずは金属から始める。明日はお母さんの通院付き添いなので0時過ぎるまでやって、角落としと穴拡げまで終わらせた。
途中3.4ミリでドリル刃が折れた。破片を抜くのに手間取ったけど後はスムースに行った。けどそもそも金属部の2本通し穴4.5ミリはかなり無理がある。
今日は片面1本だけ終わらせるのに数時間かかってる。穴6個でうち2個は3.2ミリだから4.5ミリまで開けたのは4個だけ。それで数時間だから何か考えた方が良いかな。
数日前から過去26作と31作の2回チャレンジして諦めているダマスカス鋼の穴あけ、できればカットが出来ないか再度調べてるのだけど、インパクトドリルがあればできそうだという動画を見つけた。
しかしまぁそれにチャレンジするのは金銭的にも安全面でもまだ先だけどな。
0510 (金) 昼から通院付き添い。それ以外は朝から作業。22時には革部穴拡げと最終仕上げほか準備はすべて終わって、レース縫いを始める。
いつもは必要なレース量全部準備して始めるのだけど今作は前作の残りを測ってからすぐ始める。
この縫い方はまだ十分データが集まっていないので必要量の計算式が確定していないし、片面が終わったらもう片面の準備から始めるのでそこで足りないレースは切ればいい。
縫い途中で今日は寝る。
0514 (火) 土日と例によって飲酒。月曜は通院日で夕方帰ってからは二日酔いでダウン。
今日は朝から月イチ大阪出勤。帰ってからもまだ少し体調悪し。夕食後に漸く作業開始。半日計上とする。
金曜の時点で分かっていたことだけど、片面10本は多すぎる。金属部をネジ留めしているせいで遊びがない。
計画通り無理やり浮き上がらせて10本目を嵌めこもうかと思ったが無理がある。10本目として幅1㎝の木部を作ってはめ込むことにする。
一方もう片面はまだ穴あけをしていないので、今から設計を変えて9本にする。残しておいて良かった。
1㎝木部はレジンを入れたばかりなので全く固まっていない。明日バイト中、日中は良く晴れるそうなので硬化させる。
ということで残りの片面の作業を進める。金属部の穴あけ作業も少し進めて、足りない分のレース切りをして、革部の穴あけ作業も開始。
どれも様子を見ながら並行して進める。
0516 (木) 結局一昨日は革部の最終仕上げまで終わらせた。昨日は金属部の穴あけ、穴拡げ、角落としまで終了。
端の1㎝木部の硬化も終わり穴あけ磨きも済ませてすべての準備が終わってレース縫い再開。往路は殆ど終わっていたので最後の1㎝幅木部を入れて復路に進もうとして縫い方を見失った。
過去3回、二本紐縫いは採用しているのだけど、段差のある木部で折り返すのは初めてでわからなくなった。昨夜はその時点で23時過ぎだったので作業終了として寝た。
そして今現在バイト前に検討していて、どうやら1㎝木部にしたせいで1個穴が足りなくなっているらしいコトに気が付いた。
それがどういう理屈なのか今ひとつ理解できていないがどうもそうらしい。それが正解なのかわからないのでまず上側の1辺だけその理屈に沿って、最終の1㎝木部に予定外の2回通しをしてそのあとを進めてみる。
その結果、恐らく1㎝木部は3回通すことになるので穴を拡げておくことにする。レースを通した後に広げるのは無理だからね。思い切って4.5→5.0→6.0と拡げてみた。
少し欠けただけでなんとかできたけど、これはレジン埋めの木部だからできたことで普通の無垢の木部だと6㎝は無理だろう。もしやるならドリルドライバ用意して、少しづつ拡げるのではなくて一気に開けないと割れる。
上にもある通り、ダマスカス鋼に穴を開けることを検討し続けていて、どうやらドリルドライバが正解らしいことが分かってきた。レンタルして試してみるかいきなり購入するか悩み中。
縫い始めて勘違いに気付く。10本目の1㎝木部だけ6㎝拡幅じゃだめで、重なっていて同時に通すのだから9本目の片側も同じだ。その穴のレースを外して拡げる。
夕方、家事(パン仕込み、銀鮭の南蛮漬け)を終えてレース縫い再開。いつもの三つ編みだと穴のサイズは1本分3.3ミリなのでレースを通すのがギリギリ。その点今作はすべての穴が2本通しサイズなので、特に往路はスイスイ縫える。
朝迷って決めた折り返し方(3本通し)だけど正解だったようだ。そして途中で木部のレース穴合計と革部のレース穴合計が合わなくなるなんてことは今回が初めてだし今後もなさそうなので、木部でレース穴を6ミリまでなんてことはそうそうないだろう。心配はいらない。
そして復路もだいぶん進んで、眺めてみて感じるのは、復路のレースのストロークが長くて脆そうということ。ストロークが長い分、期待していた「沿った」感じがあまりしなくて充実感がない。
上手く表現できないが、試しに残りの片面を「往路は外から内」で縫ってみることにする。
いや、今縫い方を再確認してみたけど、ストロークが妙に長くなっているのは穴のズレのせいのようだ。そのせいで折り返し部分の穴通しが一つ抜けていて、本来「往路が内から外=復路は外から内」で締まった形になるはずのものが「往路が内から外で復路も内から外」になってしまっている。
結果36作目で感じた復路が内から外の場合の浮き上がった感じになってしまっている。なのでもう片面は穴のズレがないので最初の計画通り「往路は内から外」で行ってみる。それで復路は外から内の充実した感じになるはず。
0517 (金) 朝から暇を見て縫い進めてきたが、往路終了の折り返しがやはり変。じっくり眺めて考えて、解いてやり直してみた。
最初の木部の通し方が間違っているのではないか。進行方向にズレないよう引き上げるために一つ上の目に通していたけど、よく考えたらそうすると木部の最後の一目が無くなることになる。
要するにズレていた。やり直して一つ上の目に通すのをやめてみたらちゃんと折り返しが形になった。
これで良かった。もうすぐ終わり、とはならん。「往路が内から外」なら「復路は外から内」になってちゃんと締まると思っていたがそうはならず、復路も内から外で相変わらず間延び気味。
よく考えたら往路が内外なら復路も内外で当たり前。でないと渋滞して縫えない。36作目で「往路が内から外なら復路は外から内」というセオリーを発見したつもりだったのだけど、今考えるとなんでそう決めつけたのかが分からない。
仕方がない。残り一辺がまだ手付かずなので、この筋は「外から内」で縫ってみる。それで上手くいったら、すでに縫ってある片面=表表紙を全部解いて引き上げた木部を一目戻して、かつ外から内へ全部縫い直そう。
ただし。今仕上げたばかりの筋だけ「往路も復路も内から外で間延び気味」の例として残しておこう。今作は手帳規格での初めての2本通しだったけど、期待通り試作として注意すべき点が色々分かった。
今日明日はこの後はひたすら縫っていく。それで今作終わり。
夕食直前まで小一時間縫い進めたが、「外から内」だと全然違う。どういう理屈なのかが全く分からないが、裏表紙は木部9本に合わせて設計しなおして穴を開けていて、実際1筋内から外へ縫ったものは問題なく嵌っているのだけど、外から内だと穴が余ってしまう。
要するに木部が1本足りない。なんでこうなるかな。とりあえず木部は使わなくなったのが2枚余っているのでこの面は10枚で縫ってしまう。ただしそうすると内から外のまま残そうと思っていたもう一筋とは共存できないので全部解いて縫い直し。
最初から全部やり直しってこと。
「外から内」で最初の一筋が折り返しに来たのだけど、今朝解いてやり直した「内から外」で変だったところと同じく目がズレてる。木部1本丸々ではなくて穴が一つ足りなくて目がズレる。何だこりゃ。
仕方がないので木部の最初の1本を引き上げて1目ズラして、もう一枚木部を足す。そうすると1目足せる。けどこれで木部11枚だぜ。9枚のつもりで穴開けたのにどう考えても数がおかしい。とりあえず全部解いて縫ってみよう。あぁ、レースが傷む。
駄目だ。引き上げて一目ズラすのは物凄く縫い方が間延びする。やめて折り返し部分を工夫しよう。表表紙で使っているようにまた1穴木部使うかな。表表紙も外から内で縫い直すから1穴ズレるというかズレが直るからボコテの1穴木部が余るはずなんだよな。
0518 (土) 昼に一筋終了。残るは一筋折り返しからの残り。すぐ終わる。以下今作で判明した「二本紐縫い」のポイントをメモ。
※今後は縫い方向「外から内」=外内、「内から外」=内外、と表記する。
- 進行方向へズレないために穴をズラす=木部を引き上げて(背革に乗り上げさせて)縫い付けるのはかなり間延びしてNG。なぜ間延びするのかの仕組みはイマイチわかっていないが、内外、外内どちらの場合も間延びする。サンプルとして表表紙はこのまま残しておく。とにかく引き上げるのはNG。
- 同じ革部の穴の数でも内外と外内、縫い方で木部の穴の必要数が変わる。裏表紙で革部の穴の数が10個なのに対し、内外だと9本=穴10個、外内だと10本(完成形)=穴11個が必要。
イマイチ理屈が分からない。過去の手帳規格のほぼすべて、三つ編みだとそんなことはなかった。
内外だと往路復路ともに木部は裏側から表にレースを通す。外内は表側から裏側へレースを通す。
これが関係あるような気がする。 - 折り返しがちゃんとした形になる=参考動画と同じ形=折り返し末端の穴二つ両方ともに2本通しになる理屈は、まだ仮説だが木部側の穴の数によるようだ。
裏表紙を内外で縫った場合=OK(ちゃんとした形になる)=穴の数(革部10個)(木部9本=10個)
同じ裏表紙を外内で縫った場合(最終完成形)=NG=穴の数(革部10個)(木部10本=11個)
表表紙(最終完成形)=NG=内外縫い、穴の数(革部11個)(木部9.5本かつ1本目引き上げ=9個)(ただし、折り返し直前の木部の1穴には4本通しで実質穴2個として使用しているので、木部の穴数は10個相当)
ここまで書いてきて、仮説とできるのは木部と革部の穴の数が揃っていれば正解の形になるのではないかということ。
但し上の2.の理屈が分からないと本数が定まらない。 - 今作は今までと違って革部の木部取り付け部分の最初の穴を0始点に開けた。
過去作ではすべて5ミリ位置に開けていた。内外ですべて仕上げるつもりだったので、内外は木部が下=進行方向にズレるためそれを修正する=引き上げるために0始点にした。
結果、内外の表表紙はその点は想定通りだが、当初の計画とは変えて外内で縫った裏表紙は木部の1本目が詰まりすぎて裏側から見ると浮き上がってしまっている。
今後のポイントは内外で縫うなら0始点、外内で縫うなら5ミリ始点であるべきということ。
問題は今作の最終完成形を見比べただけでは外内と内外のどちらが良いか決めかねるということ。
今後の方針が決定した。しばらく前に次作はおもちゃを作ることに決めていたのでまずそれをやって、そのあとは大物、A4バインダーを手掛けるつもりだったけど
次もまた試作としてお馴染みのM6Wお薬手帳をやることにしよう。七夕と同じ規格。手慣れた規格なので同じ木部サイズなら革部の穴数や穴位置などは分かっているので試行錯誤しやすい。
何より金属部など材料がすでに揃っている。表表紙と裏で内外と外内を試してみよう。
全部終わって型紙でシミュレーション。表表紙の11穴も裏表紙の10穴もどちらの場合も内外縫いだけ折り返しがOKになる。
方眼紙で試してみたけど表表紙の革部11穴と裏表紙の革部10穴ともに革部と木部を1穴づつ増やして試してみても内外だけOKだった。
もしかすると内外縫いしか2本紐縫いではできないのかもしれん。その場合木部本数も外内縫いより1本少ない、というより1穴少ない。
今作ではきっちり内外で仕上げた面は無いので、次の手帳規格ではまず内外からだな。
仕上がりはどちらの方が良いのか、今作では結論は出ない。今作裏表紙が「外から内」の特殊なことはしていない(ただし始点はゼロ位置なのでそこだけ4)からすると特殊)通常型であるのに対し、表表紙は1本目引き上げてその結果最後がズレるので半分木部を嚙ましている。
見た目的には引き上げをしている分間延びしているので見た目は参考にならない。次作は特殊なことはせず「内から外」の通常型を作ってみて最終判断しよう。
その結果、内外で見た目は確定なら、今後は始点穴位置は0、この設置幅での木部本数は9本で確定とする。別規格やるときはその比率を適用して拡大する。
夕食後、原価計算、重量計量、完成写真撮りなども終わった。これで本作終了。
試作の側面が強くて然程愛着の湧く作品ではないけど、軽量小型のお薬手帳としては優れているので当面七夕(中)の後継として日常使いしていく。
ブログエントリ上げるのは後日。すぐ予定の次作、おもちゃに取り掛かる。
後日反省メモ
金属部の接合部は真鍮じゃなくてアルミでよかった。ANP79との比較で色が浮いて見える。
アルミにしてもっと太く、ネジ穴だけでなくレース穴も開けてレースを通す。ズレやすいのでそこだけ革の穴はアルミを通して開ける。
原材料費総額 ¥12,037.70
作業日数 20.5日
重量
本体 770.0g
クリップボード 62.0g
総重量 832.0g