≒ (39作目)(今作より作品ナンバリングルール変更)マギーシャチハタケース20240702
0627 (木) 現在20時ちょうど。昨日前作が終わって今日は原価計算と、今後採用したくなったレースの縫い方、Z-seamを試していた。
Z-seamを日本語でなんと呼ぶのか調べても、そもそも日本語の情報自体皆無で触れているページがない。仕方がないので俺は今後ゼット縫いと呼ぶことにする。
ゼットシームとは言いえて妙で、縫い上がりの様子にはZの文字なんか一切ないが、縫い方がひたすらZの文字を縫い重ねていくものになっている。
試してみて良い感じだったので早速A4バインダーに取り掛かろうかとも思ったが、ここ数日構想が勢いよく迸ってきているシャチハタケースと、前作を始めるときにはすでに予定していたランプウォーカー続編もすぐに始めたい。
同時に始めるのは無理なのでどれかは選ばなきゃいけない。ここは複雑かつ新規のデザインで作る予定のシャチハタケースをまず手掛ける。小物だから手帳規格ほど製作日数はかからないしね。
今日は作業日としては半日計上とする。
なお(ここ重要)、今作より手帳規格以外もナンバリングしていく。よって今作は今までのルールだと38.5作だが、今作より39作目というカウントをしていく。理由は小物製作が増えてしまって、今後はほぼメインになりそうだから。
売るわけでもない、自分で使うための手帳規格は流石にもういらない。大分溜まっている。
過去の判子ケースと同じく、最初には型紙は作らない。まず木部を切り出して組み上げて、それに沿わせて革の設計をする。
何より前々作のマギーキーホルダーがかなり気に入ってしまっていて、今作もM20ボルトを使うのは決定している。それをどううまく組み込むかが今作のチャレンジとなっている。
では、木部の切り出しから。今作は木部のサイズに変化を付ける予定だから、一つづつ慎重に作業する。
革部の厚さやボルトの最低でもここまでは締めなきゃいけない位置など各種条件積み上げると、一番狭い部分の木部の幅は1.5㎝=15ミリになる。過去の判子ケースやキーケースで採用した段々組みの木部幅は皆30ミリでやってきた。
半分の15ミリで2つレース穴、かつ一番端の木部は2本通しのレース穴を二つ開ける必要がある。果たしてもつか。まずその部分だけ粗く組み上げるまでやってみよう。
0628 (金) バイト前に前から買おうと思っていたミニ卓上ボール盤を発注。明日届く。
なんで朝から慌てたように発注したかというと、流石にもう木部穴拡げで材が割れてしまうのに飽きたから。
しばらく前からこれはハンドドリルではなくて大きい電動ドリルで一気に開ければ、手で拡げるのではなく穴を「削る」ことになるので割れにくいだろうことは分かっていた。
今作は結構細い部分に大きいレース穴を開けるのでハンドドリルで手拡げだと心もとない。月末で懐寒しだけど買ってしまうことにした。
そもそもボール盤を買うことを思いついたのは硬いダマスカス鋼に穴を開けたいというのがあるのだけど、それもこのミニボール盤だとステンレスに穴を開けられたというレビューも見たので、一応トルクは足りてるようなのでチャレンジしてみたいというのもあった。
明日ボール盤が届くまで木部の切り出しと粗整形を進めていく。今回の制約は、切り出しの段階でほぼ木部の並べ順が決まってしまうということ。各段で木部の幅が違うので、同じ幅の木部は入れ替えられるけど自由自在に変えられるわけではない。
実際に変えるには色味の組み合わせが一番大事なので、あとで幅が同じだからとっかえひっかえ入れ替えるというのは無理だろう。この切り出しの時点で木部の並べ順は最終決定と思わなければいけない。
今日はこのまま最後まで木部準備を進めていく。
0629 (土) 先週末と同じく、酒飲んだせいで早くに目が覚める。いよいよ老化進んだか。飯食って9時から作業開始。
昼挟んで15時過ぎに木部の切り出しと粗整形全終了。昼にボール盤を受け取っていたので、家事を少しやって組み立て。
17時恐る恐る試運転開始。やはり慣れない電動工具はおっかない。
まず最初に最難関の15ミリ幅の終端木部に角を曲がるための4.5ミリ穴3個を開ける。15ミリ幅木部は今作が初めて。それに15ミリ幅に4.5ミリ穴は手拡げでは無理だろう。
結局今作はボール盤を買うと決めたからチャレンジしたデザインだ。この最難関をボール盤でもクリアできなければイチから設計やり直し。
案ずるまでもなく、割れる気配もなく、一瞬できれいに穴が開いた。なんでもっと早くボール盤を買わなかったんだろう。
機械でスピードアップというのは俺のハンドクラフトは趣味なのだから意味がないのだけど、無駄に割れて再度作り直しというのはもっと意味がないから。
それが今後は極端に減るだろう。良い買い物をした。
この後は今日も木部作業を進めて、木部は最終仕上げまでやってしまおう。
夕食食べてる間に気が付いたけど、今やったばかりの15ミリ幅木部は穴が2つだった。革部に曲がる角なので3つは要らんかった。
リカバリーしようがないのでもう一度ここだけ切り出しから。
22時半には穴あけ全終了。穴拡げの必要は無いのでこれで穴あけ作業は終わり。
今日はもうのんびり木部を仕上げながら途中で寝る。
そろそろ最終段階に入ってくる。部品を並べて最終形を考える、全体のデザインとしては幅が決め手になるのだけど、同じ構造なので参考になる36.5作目の革部の幅が12㎝で、36.96875作が9㎝。部品の配置考えても9㎠が丁度いい感じか。
0630 (日) 今日も早起き。8時前から作業。シコシコ木部の仕上げを進めて、昼食前に木部の最終仕上げまで完了。
次は革部の作業に入る。昨日の夜から検討していて、横幅は9cmで行くかとほぼ決めていたのだけど、過去作と全く同じなのは面白くないので8.5cmで行くことにする。
縦幅(厚み)が上部だけ5ミリ広いし、縁をレースで覆わないので開口部面積は過去作より大分広い。5ミリ横幅を縮める程度なら吸収できると思う。
いや、判子ケースはいつもこの段階で型紙作るのだけど、木部に合わせて型紙調整してみたらやはり横幅は9cm無いと出し入れが厳しい。素直に過去作を踏襲しよう。
その分というわけではないけども、高さは12㎝で木部ぴったりなところを11.5㎝とする。少し木部がはみ出るくらいを今回は狙う。
いや。もう一度並べて検討の結果、横幅8.5㎝で行く。横幅も少し木部が張り出す程度を狙ってみる。過去作の段々組みでは少し木部が埋もれ気味のきらいがある。
レース穴のマージンを少し削ってみる。
夕食前にレース切りは終了。夕食を挟んで20時に夕方には圧着を終わらせていた革部の粗仕上げが完了。
型紙と合わせてサイズ調整、コバ磨きを始めていて気が付いた。型紙の横幅が間違っている。昼に8.5cmで行くときめたのに9㎝になっている。
当然革部も間違っている。5ミリ切り落とさなきゃいけない。革が勿体ないな。5ミリ幅の端材は使いようが中々ない。けど仕方がない。切り落とした。
23時まで作業して、革部はレース穴を全部開け終わって、コバの仕上げ磨きも終わって抑えベルトの取り付けも終了。ほぼ完成。
ボール盤のおかげでレース穴の穴拡げが一切必要ない。ボール盤で穴を開けたら終わり。トルクもあるので裏表重ねて一瞬で必要な径の穴が開く。
もっと早く導入すればよかったとはあまり思わないが、今までの穴拡げ作業へ欠けた時間は意味あったのかとは思う。
明日届く20ミリポンチ六角シャンク付き(買っちゃった)でM20ボルト用穴を開ければ残る作業はレース縫いだけ。下手すりゃ明日で今作終わる。
0701 (月) 昨日は日曜だけど最後に酒を飲んで寝た。そのせいでまた今朝も5時半に目が覚めて寝付けない。6時過ぎに飯を食って8時前に作業開始。
抑えベルトの取り付け準備ほぼ完了。本体を縫い終わらないと最終的な長さが確定しないので抑えベルトについて今できるのはここまで。
革部のコバ磨き、油入れも再度行う。とにかく今日届く20ミリポンチでM20ボルト取り付け穴をあけないとレース縫いが始められない。
届くまで、途中のバイト時間は除いて、細かい手直しと原価計算をしながら待つ。
バイト後家事やっていたらAmazonの配送完了メールが届く。家事が終わって自室に上がってすぐ作業再開。ボール盤に20ミリポンチを取り付け慎重に位置決めした点に合わせて落としていく。
精々5ミリ程円形に掘れただけ。当たり前か。繊維の詰まったハーマンハーネスなんて木材より硬いだろう。
ポンチは結構すぐ欠けるのは知っているから怖いのもあって、すぐ諦めて6ミリドリル刃で穴を一杯開けてそれを拡げて行く作戦に変更。6ミリ刃はリュータには取り付けられなかったので、ボール盤のおかげでこういうことが出来るようになった。
夕食挟んで20時にはM20ボルト穴貫通。37.75作目マギーキーホルダーの手作業でシコシコM20穴を開けたのに比べると大分スピードアップだ。
それと20ミリポンチは無駄ではなくて、印付けには活用できるし、一番使うのはレース切りのとき最初の穴を開けるのに使える。レース切に使うのは2ミリ厚の革だから。
もともとM20ボルトなんて滅多に使わないんだから、主目的はレース切り作業に使うつもりで買ってたんだよね。よし、レース縫い開始。
0702 (火) なぜか早朝から目は覚めても眠気が物凄い。朝飯だけは食べたけどバイトの開始ギリギリまでずっと寝てた。
作業開始はバイト後。1時間ほどでレース縫いは最後の曲がり角まで行った。
縫う距離が短いから速いのはもちろんだけど、ボール盤できっちり4ミリの穴を開けているのが大きい。スムースにレースが通る。
家事や夕食で途中抜けて、20時にレース縫い終了。最後に抑えベルト作成。
なお、この段階でM20ボルトを取り付けてしまうので、ボルトの重量を記録。
ボルトが171g。ナットが98g。合計269g。
途中シャワーを浴びに行ったりしてのんびり作業を進めて22時に抑えベルト取り付け完了。これで完成。
感想戦としては、ボール盤導入で作業スピードは上がったのだけど、それはあんまり重要ではない。
趣味で余暇に作っているんだからより早く仕上げたいなんてことは無い。逆に時間が掛かるほうが楽しんでいる時間が長いともいえる。
しかし、木部も革部も下穴を開けてハンドドリルで拡げて行くよりも、ボール盤で一気に穴を開けてしまう方がきれいで割れたり裂けたりしにくいので仕上がりがきれいだ。この利点はすごく良い。
36.96875作目お母さん用シャチハタ印ケースとは用途も作品サイズもほぼ同一なのだけど、M20ボルトが主要モチーフとなるので全体の感じは違う。
M20ボルトはマギーキーホルダーに続いての採用だけど大分気に入っている。このモチーフで今後は筆箱などを作ってみようかと思っている。
以上で今作終了とする。だけども今出来上がりにミンクオイルを入れていて気に入らない点がもう出てきた。抑えベルトの表面ボルトをM5にしたのだけど、弱すぎる。
M20ボルトに負けてい過ぎ。M6に換えよう。それだけだと弱いので装飾としてM5も入れよう。
ただしすごく眠いので今日はもう寝る。今日は朝からずっと眠気が酷かった。改造は明日やろう。
0703 (水) 一晩触ってみて、改造は止めておくことにした。このバランスも悪くない。昨夜で完成とする。
最後に重量を測る。554g。ボルトとナットの269gが効いている。
原料総額は¥7,809.31。同じくM20ボルトとナットの¥2,434.6と、木部接合用のM3六角ボルト25ミリ10本合計¥2,497.0が効いている。
ちなみに36.96875作目お母さん用シャチハタ印ケースでは同じ部分の接合にM3×16ミリの皿小ねじを使ったので1本当たり¥66.0で済んでいる。73.57%安上り。
MISUMIは在庫量や終売予定で劇的に値段を変えるので見た目だけで部品を選定するのは難しい。けど趣味のレザークラフトなので何らかの制約で作りたいものからそれていくならそもそも作らなければいいわけで。
やはり今作もM20ボルトがアイコンになっている。仮名は「自分用シャチハタ印ケース」としていたが、「マギーシャチハタケース」に最終決定。以上。
0704 (木) やっぱり少し弱いかなぁと思っていたところにアリエクで頼んでいたスナップロックが到着。
スナップロックの取り付けには取り付け部である本体を結構漉いて付属ネジを埋めなきゃいけないので、今更内側を漉くのは無理だろうと思っていたのだけど、あれ?付属のネジってサイズなんだ?と測ってみたらほぼ3ミリ。
まさかと思って長さの合うM3ボルトを入れてみたら普通にしっかり締められる。よし、スナップロックに変更する。
夕食挟んで2時間足らずで取付終了。やはりバランスはこっちのほうが良い。しかしアリエク調達の真鍮部品は表面ピカピカなのが多くて少し萎えるわ。
処理なし無垢かせめてヘアライン加工が良いなぁ。けどまぁ今回は仕方がない。エイジングで傷だらけになったらマシになるだろう。
原料総額は¥¥8,946.41へ変更。以上で改造終了。
原材料費総額 ¥8,946.41
作業日数 5.5日
総重量 554.0g