≒ (38作目)(二本紐縫いは途中断念)バッファロー革+榧+ベークライトM6Wお薬手帳20240626+紫陽花×枇杷

0527紫陽花と枇杷の様子スタート。

趣味のレザークラフト

0523 (木) 前作(ランプウォーカー)が材料待ちで手が止まったので予定通り開始。主テーマは二本紐縫いの試行錯誤。
安いありものの材料だけで仕上げる予定。革は激安のバッファロー革。正直安物過ぎてほとんど使わず在庫になってしまっているので今作は表面も裏張りもこれを使う。
金属部は金属じゃないベークライト。これは然程安い材ではないけど、面白そうに思って買っちゃったけど使う当てなく仕舞い込んでいたもの。レースは二本紐縫いの試作であった前前々作と同じく本ヌメサドルにしよう。
EUヌメだとさすがに太すぎる。
今日は健康診断から帰って夕方整骨院行くまでまずは設計と型紙作り。と言っても過去のM6Wお薬手帳と全く同じだけどね。

今作は37作の「裏表紙を内外で縫った場合=OK=穴の数(革部10個)(木部9本=10個)」だったというテーマ(テーゼ?)を実作品として作ってみることにある。
なのである程度準備が終わったら片面=表表紙だけ縫ってみることにする。

いや、型紙製作の前に部品確認しようとベークライト部分とバインダー金具の在庫を漁ってみて気が変わった。
在庫に今まで使ったことのないリング径のデカいM6金具、25ミリ径と30ミリ径が残っている。通常は19ミリが定番なんだけど、去年アリエクで見つけて買ってあった。
ボルト止めの穴位置は定番19ミリ金具と全く一緒。ただ、だからと言って過去作に取り付けてみても革幅が短くてリフィルが飛び出しちゃう。専用の大きさのものを作らないと使えないなぁとしまってあった。
今作は激安バッファロー革だし革はぜいたくに使えるから、バカでかい幅で作ってみよう。
まずは金具に合わせて革幅の目星をつけて、それに合わせて37作の「二本紐縫い」試作結果を勘案して木部設置幅を決めてから型紙を作ろう。面白くなってきた。

試しに七夕に30ミリ嵌めてみて測ると、リフィルが2㎝ほどはみ出ている。多めにとって片面3㎝プラスして見開き長6㎝延長。背革幅は七夕で木部と金具は当たってないので今回の太い形のリングでも変形したりはしないだろうということで8㎝のまま。

0523七夕に30ミリ径金具を嵌めてみる。
0523七夕に30ミリ径金具を嵌めてみる。
0523左が取り付けた30ミリ径。右は通常使っている19ミリ径。
革部穴位置試算(表表紙・木部11本)
革部穴位置試算(表表紙・木部11本)

それらの数値で試算をすると木部設置幅は18㎝。木部本数だと11本で37作目の「裏表紙を内外で縫った場合=OK=穴の数(革部10個)(木部9本=10個)」の成功例の穴間隔(1.61㎝)とほぼ同じ革部の穴間隔になる。
革部の穴の数=12個、木部の穴の数=11本=12個。37作目の「革部と木部の穴数が同じだと折り返しが上手くいく」という仮説が正しければ、これで内外で縫えば上手くいくはずだ。
もう一つ検証したいのは「穴の数が奇数でも上手くいくのか」ということ。37作ではその検証はできなかった。よって裏表紙の背革幅=木部設置幅を変えてみよう。

革部穴位置試算(裏表紙・木部10本)
革部穴位置試算(裏表紙・木部10本)

試算した結果、裏表紙の木部設置幅は16.5㎝。これで型紙を作る。以下が型紙数値。
今夜は型紙作って革切り出して、毎度おなじみ背革漉き。バッファロー革だから適宜ワセリン入れ(塗り)もしよう。途中で寝る。

型紙サイズ試算
型紙サイズ試算
0523型紙完成。
0523型紙完成。

すぐに型紙は出来て大判革から切り出しを始めたけど、こんなに硬かったか。表皮が硬すぎてカッターや別裁ちの刃では切れない。
とてもじゃないけど大判から直に型紙通り切り出すなんて無理なので、まず大きめに切り出す。
リュータのダイアモンドカッターでもスイスイは切れず、焼き切る状態。終わった時点で22時半だったけど、音がすごくて明日クレームが来そうだ。
とりあえず粗い切り出しは終わったので型紙通り切り出し。

0523大判の革からいきなり型紙通り切り出そうとする。断念。
0523大判の革からいきなり型紙通り切り出そうとする。断念。
0523とりあえず大きく切り分けて、
0523とりあえず大きく切り分けて、
0523ワセリンを塗って一晩置く。
0523ワセリンを塗って一晩置く。

0524 (金) 朝、バイト前に漸く1枚片面の革の切り出し終了。細い穴を開けてバインダー金具取付位置の確認をする。
しかし硬い。全く刃が入っていかない。しかも目には見えない筋が通っているようで、油断すると筋が縒れる。
ガタガタの切り口になるので慎重にしなきゃいけないので最初はゆっくり刃を入れていかなきゃいけない。
硬くて厚い革は好みだけど、これは安物処理の結果の硬さだから良いエイジングにはつながらない気がする。
とりあえず今後も適宜途中ワセリン塗りこみを繰り返してしなやかさを少しはマシにしておこう。
今日は用事多し。日中は恐らく作業が出来ん。

0524漸く切り出した片面だけの革にボルト穴を開けて金具を載せて確認。
0524漸く切り出した片面だけの革にボルト穴を開けて金具を載せて確認。

お母さんと日曜に約束してたちらし寿司を作る。思ってたより時間が掛かって早めの18時にお母さんと一緒に晩御飯。
その後作業再開で21時まで掛かってもう片面の革切り出しが終了。先の片面より切りやすい。位置によって硬さも違うんだろうけど、それ以上に後に使った革は前に切り出した残りで、その時に一度ワセリン塗りこんであるんだよね。
やはりワセリン染み込ませると少ししなやかになるのかな。
昼に注文していたボルトが届いたので中断していた37.5作の作業を再開。やりかけだと気持ちが悪いから作業はランプウォーカーが優先。よって今作としては今日は作業日半日計上とする。
最後にワセリンを再度塗っておこう。

0524もう片面も切り出し完了。とにかく硬い。
0524もう片面も切り出し完了。とにかく硬い。
0525ペディーナイフ到着。37作エントリで書いていた「後日解決」がこれ。以降革の厚み漉きは劇的にスピードアップした。
0525ペディーナイフ到着。37作エントリで書いていた「後日解決」がこれ。以降革の厚み漉きは劇的にスピードアップした。

0527 (月) 土曜は37.5作の作業。昨日は飲酒でまた一日つぶれた。今日は呼吸器内科の受診で出かけて、夕食後から作業。
ランプウォーカーの作業を少し続けて、終わってこちらの革漉き開始。作業日としては半日計上とする。

初めてペディーナイフで漉いてみたけど、期待ほどスイスイ削れるわけではない。まだ使い方も試行錯誤。
それでも少しづつは削れるし、今までのやり方よりは早いように思う。
期待ほどではなかったことの最大の理由はバッファロー革のせいだと思う。床革も硬い。ガチガチ。
これではいくらペディーナイフが優れていてもスイスイは削れないだろう。それでも2時間ほどで1ミリ以上削れるので明日くらいには目途が付きそうだ。

0527ペディーナイフ出番。

0528 (火) 合間に作業を進めて21時前に片面がほぼ3ミリピッタリ。過去作の記録確認せずに2.9ミリくらいを目標に削っていたけど、大体3.5ミリくらいでOKとしてきたみたいだ。
まぁいいや。もう片面も3ミリくらいまで削ってから圧着しよう。

0529 (水) 昨夜は23時前にもう片面も漉き終わったので圧着して寝た。
もう片面は最初にある程度削ったところで中々刃が入って行かなくなったのでトコノールを縫って放置していたところ、トコノールが落ち着いたら既にほぼ3ミリ厚になっていたみたいだ。すぐに漉き終わった。
バッファロー革は裏表ともに硬いのだけど、床面については毛羽立ちが強いのでそれを押さえたら厚みは然程でもないのかもしれん。ただ、その結果圧着した後の変化や強度がどうなるかが心配だな。

初めて使ったペディーナイフだが、1枚目の漉き終わり手前には使い方が把握できてよく削れるようになったがその代わり、よく刃を食い込ませることが出来るようになったせいでよく刃がかけて使えなくなった。
必要経費と考えて刃を取り換えて使っていけばいいのだが、割れた刃の部分が革に埋もれて見当たらないことが何回かあったので、気を付けて扱わないと危険だ。
しかし、これほど刃が割れるのはバッファロー革だからだと思うので、ダブルショルダーやハーマンハーネスではそんなことはないだろう。だとしたら今までの機材より格段に削れるのは間違いないので今後の主力になりそうだ。

朝、バイト前から少しづつ作業。革の圧着できていない部分に少しづつ接着剤を入れて少しづつ修正圧着放置。一方で木部の切り出しを始める。今作は榧のみを使う。

日中暇を見て木部切り出しを進めるが夕食後は圧着のある程度済んだ革の接着のズレてる部分を鑢で均す。ズレが酷いし床面と同じくコバも硬いしで23時ごろまで掛かって終わらず、諦めて接着の甘いところを万力に圧着セットして寝る。
明日も革部の削りに時間が掛かりそう。まだ削っててもサイズは大丈夫だけどあまりやりすぎると設計より小さくなりすぎるんじゃないかと心配になってくる。

0529このエントリのトップ画像から2日経過。
0529このエントリのトップ画像から2日経過。

0530 (木) 朝少し作業したけど、バイト後は用事で出かけて帰ってくると37.5作で使う木ネジが届いていたのでランプウォーカー作業に戻る。
終わったらこちらの作業。革のへりの整形と木部切り出し。作業日は半日計上。

0530まだ圧着モレがある。硬すぎて上手く2枚が沿わない。
0530まだ圧着モレがある。硬すぎて上手く2枚が沿わない。

0531 (金) 日中暇を見て革の整形を進めたけど、夕方には諦めた。ツライチまで磨くと形が変わってしまう。
やはりバッファロー革は硬すぎて加工性が低い。少しづつズレてるのをしなやかに曲がって圧着してごまかすなんてできない。そのままズレに直結してしまう。
ある程度で諦めてコバ全体を鑢掛けしてトコノール塗って磨き。穴あけ後バインダー金具を取り付ける。まだ革が硬すぎて全く曲がらない。閉じられない。
今後も暇を見てワセリンやミンクオイル入れて鞣してみるけど、完成するころにはちゃんと曲がって使えるのかな。

本日残りは木部の準備を進める。

0531金具を取り付ける。バッファロー革もワセリンを塗り込んだ結果、色味は悪くない。
0531金具を取り付ける。バッファロー革もワセリンを塗り込んだ結果、色味は悪くない。
0531コバがイマイチ揃わない。諦めた。
0531コバがイマイチ揃わない。諦めた。
0531さらに2日。
0531さらに2日。

0601 (土) 昨日は木部の切り出しを進めたが、途中で気が付いたのが薄く切り出し過ぎているということ。
木材を無駄にし過ぎないように切り出し用のガイドの紙を1㎝弱にしていたが、それだと表面を均したら8ミリちょっとになってしまっている。
それだと前作と木部の厚みが違い過ぎるので、諸々の設計が変わってくるし、何より木部の存在感が弱すぎる出来上がりになってしまう。
幸い気が付いたのが1本目の整形時だったのでその一本だけ端材在庫行きにして、ガイド紙を作り直して切り出し。今度は厚くなり過ぎた。
仕上がりが10.5ミリ厚程度が理想なところ、12ミリある。再度ガイド紙を作り直してどんどん切り出していこう。

しかし、遅めの朝飯を食って作業を始めようとしたところ、お荷物お届け完了メール到着。木ネジが届いたみたいだ。これで37.5作ランプウォーカーを完成させられる。
本日は今作の作業はしない。恐らく今日明日はランプウォーカーに取り掛かることになる。作業日に計上せず。

0602榧を切り出し。真ん中は幅を参考にしたコーカスウッド。37作で作ったが使わなかった木部。
0602榧を切り出し。真ん中は幅を参考にしたコーカスウッド。37作で作ったが使わなかった木部。
0602もう2日。
0602もう2日。

0604 (火) 日月と作業せず。木部の切り出しを進める。同じ塊から切り出していくだけなのでもっと手早くできるかと思ったけど、今日23時前までやってようやく6本まで粗仕上げ終了。
木部準備だけでもう2~3日かかりそうだ。

0605紫陽花が少し開いた。
0605紫陽花が少し開いた。

0605 (水) 23時前まで途切れ途切れに作業。9本目まで終了。残り12本。

0606 (木) バイトで使ってるChrome拡張機能が有料になって使うのが馬鹿馬鹿しいので自作。やっつけだけど普通に使えるのが出来た。
けどそれに22時前まで掛かってるのだからバイトでサービス残業するのバカみたいって話だ。
少しだけ木部切り出し進めたけど作業日としてはノーカウント。

0606また少し開く。
0606また少し開く。

0607 (金) 朝から月イチの大阪出勤で外出。帰って家事が終わって夕方から作業開始。
12本まで進んだ。残り9本。

0607大き目の榧ブロックを小割して小割して2㎝幅に切り出す。時間が掛かる。
0607大き目の榧ブロックを小割して小割して2㎝幅に切り出す。時間が掛かる。

0608 (土) 22時過ぎに必要本数は揃った。最後の3本は端っこで薄くて使えないと端材に回していたものを2本づつ合わせて使うことにしたもの。
途中までは全部1本づつ切り出したものを使うつもりだったのだけど、薄くてはねたのが4本あったので気が変わった。端材ばっかり残してクラフトやっていくのは気に食わない。
ただ、薄いといってもある程度の厚さは残っていて、最後の2本に至っては合わせると15ミリちょっとある。規格は10.5ミリ厚前後だ。4ミリ弱だけ薄くカットするのは俺には無理。
過去の例からするとやり過ぎちゃうに決まっているので、シコシコ220番で鑢掛けしていく。今日中に終わるかな。

0608微妙だけど紫陽花の花が膨らんでる、みたい。
0608微妙だけど紫陽花の花が膨らんでる、みたい。
0608ようやく切り出し終了。
0608ようやく切り出し終了。

0612 (水) 昨日まで3日間ほとんど作業せず。けど細々と鑢掛けは続けていて今朝木部21本終了。
このまま木部の穴あけから最終磨きまで一気にやっていく。かなり柔らかい材なのがはっきりしているので、リュータドリルはいきなり3.3ミリ径で行って、そのあと4.5ミリまで手で開ける。
何本割れるかな。

0612ほとんど変わらないか。
0612ほとんど変わらないか。

0613 (木) 21時半、残り5本まで穴拡げ完了。ここまでで2本割れた。同じ材をやっているとわかるけど、割れるのは失敗というよりもともとクラックが入っているように見える。
いずれにせよ残り5本を拡げ終わってから割れて足りなくなった分の切り出しからやり直す。明日は昼から脳神経内科の受診なので朝はのんびり行ける。
何個か所用を済ませるだけなので今日は少し遅くまでやろう。

0614 (金) 昼の通院を挟んで穴拡げを続けるが、それが終わったら今作の作業はいったん中断。次作の予定だったキーケースの構想が急速に固まってきて早く手を動かしたくなった
穴拡げが終わったら今作はいったん中断。キーケース製作が終わったらまず割れてしまった木部2本の切り出しから再開して木部の最終仕上げまでを行う。
今日は作業日としては半日計上。

しかし、バッファロー革の作品は必ず中断するな。正直革の安物感が強すぎて触ってて段々身が入らなくなっていくのだよね。
しかし幻の「(19作目)(未完成)バッファローA4202201??」(当然ブログエントリはない)のように中断しっぱなしにはしない。キーケースが出来たら必ず再開する。

0614微妙だけどトップ画像と比べてみると変化してるでしょ。
0614微妙だけどトップ画像と比べてみると変化してるでしょ。
0615日々の変化を
0615日々の変化を
0617お楽しみくださいませ。
0617お楽しみくださいませ。

0619 (水) (37.75作目)キーケース二世が夕食前にほぼ完成。あとは最後の部品を取り付けるだけなので終了として締めてきた。今作の作業再開。
予定通り、割れて足りなくなった木部2本の際切り出しをやってそのまま木部の最終仕上げまでシコシコ進めていく。
今日は作業日としては半日計上。

0620 (木) 朝から少しづつ作業。2本の整形と穴あけも終わって、夕食後にはすべての木部の穴の面取りが終わった。
次は木部全ての最終整形、油入れ、磨き。
けどもここから予定になかったキーケースの作業に作業にまた少し戻るので続きは明日。

0620途中2年半ものの味噌を樽から引き揚げて冷蔵庫へ。
0620途中2年半ものの味噌を樽から引き揚げて冷蔵庫へ。

0621 (金) 朝から暇を見てシコシコ木部の仕上げ。途中3カ月に一度の眼科受診で抜けたり、また前作の改造に数十分取り掛かったりしたけど、後は作業を続けて夕食後には木部の最終仕上げ終了。
そのまま金属部(今作はベークライトだけど)と革部の接合用の真鍮片の切り出しと穴あけ、バリ取りと最終整形。今日はその途中で終了。

0621最終仕上げ終了。
0621最終仕上げ終了。

0622 (土) 朝のうちにベークライト加工終了。次は革部の穴あけ。最初に開ける穴はリュータに3.3ミリドリル刃で開けるのですぐ終わるけど、今作は二本紐縫い=全穴2本通しなのでそこから4.5ミリまで拡げなきゃいけない。
とてもそれは今日中には終わらないので途中で終了。明日は午前中はお母さんの健康診断なので作業再開は夕方近くになってからだろう。
革部の仕上げが終わったらあとはレースを準備して縫い始める。今作は最初のうちは二本通しなので本ヌメサドルを使うつもりだったけど気が変わった。
バッファロー革の格からするとEUヌメが似合うと思う。なんとなくだけどそう決めた。

0622シコシコハンドドリルで穴を拡げる。
0622シコシコハンドドリルで穴を拡げる。

0623 (日) 朝、健診に出かける前の小一時間ほど作業。革部穴拡げが完了。最後の仕上げに今回だけワセリンを全体に入れた。
これ以降は手入れにはほかの作品と同じくミンクオイルで磨くのだけど、縫ってしまう前にもう一度ワセリンを入れて置く。

0623縫う直前ワセリンで濡らす。
0623縫う直前ワセリンで濡らす。

0624 (月) 昨日は健診から帰って昼酒始めちゃったので作業せず。半日計上する。
今日はレース切りから。それが終われば最後の作業開始。縫い始める。

レース使用量試算
レース使用量試算

37作の試行結果から、今作は往路は内から外へ流す内外縫いで表裏両方とも行く。
それで上手くいったら、もう結論が出たことにする。二本紐縫いで手帳を作る場合は常に内外。
逆の外から内流しも上手くいくやり方があるのかもしれないけど、それはもう良しとする。今作が上手くいかなかったときの検討とする。
23時までやってようやく折り返し、前の二本紐縫いから間があいているので勝手がわからなくて時間が掛かった。
折り返し部分の処理も良くわからなくて少しやり直し。最終的には上手くいったみたいだ。縫い終わるまで分からないが。

0624縫い始め。予定通り「内から外」へ流す。
0624縫い始め。予定通り「内から外」へ流す。
0624往路終了。問題は折り返し。
0624往路終了。問題は折り返し。

0625 (火) 予想通り復路で手古摺る。EUヌメの2本通しは無茶だったみたいだ。
もう慣れているのでやり直しなどで無駄にレースを痛めることは無いが、普通に通してるだけでレースが荒れて伸びていく。
裏表紙は全部5ミリ径で穴を開けなおしてから縫おう。

駄目だ。復路終了間際まで進んだが、全く形になっていない。
内外流し特有の下(進行方向)へのズレが増幅されて背革の脇が丸々木部一本分隙間が空いてしまっている。
そもそも折り返し時点で気が付いていたけど、縫い付けた木部の数が折り返し時点で10本しかない。表表紙は11本の予定で作っているのに。
つまり穴の数が丸々一つ、木部なのか革部なのかわからないがズレている。
設置部分の穴が、革部には12個開けているのに、木部が10本しか嵌っていないと11個しかない。

それでも37作の試行結果から内外縫いしかないと強行していたが無理だ。全部解いて検討してからやり直しだ。

0625一本分の隙間。
0625一本分の隙間。
0625別角度。
0625別角度。

解きながら検討して空いた穴で試し縫いしてみたけど、今ひとつわからない。結局諦めることにする。
どうやら「革部の穴の数 × 木部の穴の数(=本数)」と「内外流しか外内流しか」の掛け算で出来上がりの可不可が決まるみたいだけど、追求する気が無くなった。
レースや革や木の穴周りを傷めつけ過ぎるのが嫌だし、何より今検討していて参考に既に二本紐縫いで完成させた37作目を眺めていて、縫い上がった姿がいつもの三つ編みより間延びしてるのに気が付いた。
そりゃ穴を飛ばして縫うのだからいくらかは間延びするのは仕方がない。けど(35.5作目)懐炉入れ20240124など、起伏があまりない箇所での二本紐縫いは然程間延びした感じにはなっていない。
恐らく木部の段々組みには二本紐縫いは向かないのだと思う。もっと起伏のない小物で適用してみて慣れたうえで構造を理解できたらまた段々組みとの組み合わせにチャレンジしてみよう。
今作は手慣れた三つ編みで縫いあげて終了とする。

もう一つ、二本紐縫いを諦めたのには理由があって、別の面白そうな、かつ強靭そうな縫い方を見つけたから。

これも全穴2本通しだから穴あけが厳しそうだけど、穴は飛ばして縫わないので間延びすることは無いと思う。また小物で試してみて、手帳で使ってみよう。

0626表側はすぐ縫い終わった。
0626表側はすぐ縫い終わった。

0626 (水) バイトや家事の暇を見て日中作業。穴がデカいので各穴1本通しの三つ編みだとスイスイ縫える。
結局夕食前に表紙は縫い終わり。けれど穴の数からして当然だけど、想定より木部の使用量が1本多い。
表面で11本想定のところ12本使っているので、裏表紙開始時に残っているのは9本。裏表紙で11本必要なので2本追加で木部の準備が必要。
切り出しからしなければと思って始めたが、端材に回した穴が欠けてしまったのが2本ある。1本通しの三つ編みならこれで問題ない仕上げ磨きまでやって縫い作業再開。

0626木部が2本足りない。
0626木部が2本足りない。
0626少し穴が欠けているけど1本通しなら大丈夫。
0626少し穴が欠けているけど1本通しなら大丈夫。
終了時レース使用量
終了時レース使用量

23時にレース縫いすべて終了。金具を取り付け今作完成。
しかし、三つ編みに戻したら早かった。無理に通すところがほとんどないので力を入れる必要がないから無駄にレースが縒れたりしない。
今後はもう小物以外では二本紐縫いを採用することは無いだろう。
但し、二本紐縫いを試行したのはもちろんずっと三つ編みで作ってきたので目先を変えてみたかったのもあるけど、三つ編みは裏面がレースが1本通ってるだけなので脆いきらいがあると思ったから。
二重化してもっと強靭にしたかった。正直、三つ編みでも使用していて切れやすいといったことは無いので構わないのだが、もっと強く重厚にしたいのは俺の癖みたいなもの。
その点、二本紐縫いは適合していたのだけど、デザイン的に間延びしてあまり良くないのはそれ以上にデメリット。多段組みを多用する俺の作り方だと使うのは難しい。
とは言っても二重化はしてみたいので、先に上げた動画の縫い方(Z-seam:ゼットシームと言うらしい)は今後試してみよう。まずは小物からか。

0626完成。
0626完成。
0626完成内側。
0626完成内側。
0626金具を取り付け。榧の白木、バッファロー革の赤身にステンレスボルトは映える。
0626金具を取り付け。榧の白木、バッファロー革の赤身にステンレスボルトは映える。
0626金具取付け。30ミリ径リングは太い。
0626金具取付け。30ミリ径リングは太い。

しかしバッファロー革は本当に硬い。なかなか馴染まない。手帳が閉じられないのでベルトで当分型付けしておこう。と、締めあげたらレースの接合部分が一か所解けた。クソ。
後日しっかり曲がる=閉じるようになってから直すことにしよう。これにて今作終了。明日原価計算だけやっておく。

0626ベルトで型付け。
0626ベルトで型付け。
0626圧着して継いだ部分が解けた。
0626圧着して継いだ部分が解けた。
0626漸く満開。枇杷は今年は野鳥が食った。
0626漸く満開。枇杷は今年は野鳥が食った。

0627 (木) 朝バイト前に原価計算が終わる。総原価6千円ちょっとと、この規格では過去最安。
まぁ、革の質感は値段なりだけど、シンプルな白木のドスみたいな清浄感のある美しさみたいなものは感じられる。
エイジングするとそれも失われてしまいそうだけど。

次作以降の構想も山積み。けどその前に上に上げた動画のゼットシームをテストしてから次に行こうと思う。エントリ立てるまでもないから、感想をここに記しておく。
バッファロー革の端材に幅、ステッチ間隔ともに10ミリで3.3ミリ(ドリル刃のサイズ)の穴を開けていく。
少し縫ってみてすぐ失敗に気が付いた。この縫い方はステッチ間隔の倍、幅がないと上手く機能しない。つまり過ぎで重なりの部分が膨らみ過ぎて機能しない。
解いてステッチ間隔は10ミリで幅は20ミリで穴を開けなおしてやり直す。

0627幅10ミリに穴を開けて失敗。
0627幅10ミリに穴を開けて失敗。
0627幅10ミリだと横が詰まりすぎて折り返せない。
0627幅10ミリだと横が詰まりすぎて折り返せない。
0627倍の幅20ミリで丁度良い。
0627倍の幅20ミリで丁度良い。

夕食前に行く前の小一時間で10㎝は縫い終えた。ただ重ねて縫っていくだけなので、出来上がりのボリューム感からすると手順の複雑さが全くない。
それでいてつなぎ合わせる力はすべてのレースが2重になっているのでかなり強い。
つまりいつもの手帳の段々組みと革部の接合に使えば強靭で、かつメンテナンス性も高いものになりそうだ。
ただし、致命的な点が20ミリの幅が必要=接合部のマージンが20ミリはないと俺が常に使ってきた3ミリレースは使えないだろう。
それを考慮すると小物の手帳、いつものお薬手帳でこの縫い方を使うのは難しいと思う。
あるいは木部を短くして革部にマージンを多くとるか。
いずれにせよ、二本紐縫いの場合と違って最初に適用するのは大きいサイズ、A4バインダーで試すのがよさそうだ。

0627出来上がり表側。
0627出来上がり表側。
0627出来上がり裏側。全二重なのがこの縫い方のポイント。丈夫。
0627出来上がり裏側。全二重なのがこの縫い方のポイント。丈夫。
材料費概算(スプレッドシート画像)(計¥6,117.95)
材料費概算

原材料費総額 ¥6,117.95
作業日数 18.0日
重量 732.0g